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陽子の旅
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上海国際映画祭 三冠受賞
陽子の旅 陽子の旅
 7月28日(金)ユーロスペース、テアトル新宿他全国順次公開

TRAILER

予告編

特 報

本予告

特 報

本予告

INTRODUCTION

イントロダクション

監督 熊切和嘉 × 主演 菊地凛子

東京から青森へ、明日正午が出棺。
父親の葬儀にも、人生にも何もかも間に合っていない―
それでも陽子は初冬の東北を行く。

夢やぶれて20数年。引きこもり孤立をしていた42歳の陽子は、長年断絶していた父親の葬儀のために、郷里の青森県弘前市に渋々帰ろうとする。しかし、あろうことかヒッチハイクをする羽目に…。孤独に凝り固まる陽子を演じる菊地凛子は、『バベル』(06)で米アカデミー賞®助演女優賞にノミネートされ、その後も『パシフィック・リム』シリーズ等ハリウッドをはじめ海外作品に数多く出演する日本を代表する国際派女優。本作で初めて日本映画の単独主演を飾り、引きこもり生活から外に出て、久しぶりに他人と関わることで長年の自分への後悔を露わにしてゆく繊細な難役を見事に表現。竹原ピストル、オダギリジョーをはじめとする豪華キャストに支えられ、切ないまでの生きる痛みと躊躇い、そして絞り出す勇気を熊切監督と共に渾身の力で表現している。就職氷河期世代の中年期、その定まらない人生というだけではない、他人との密な関係を作らず生きることが当たり前の今、孤独と孤立に凍った心が溶けていく様に、誰もが自らや知人を思い起こして心を揺さぶられるロードムービーが誕生した。

STORY

ストーリー

東京から青森へ 明日正午が出棺。
父親の葬儀にも、人生にも何もかも間に合っていない―

42歳 独身 青森県弘前市出身。人生を諦めなんとなく過ごしてきた就職氷河期世代のフリーター陽子(菊地凛子)は、かつて夢への挑戦を反対され20年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。従兄の茂(竹原ピストル)とその家族に連れられ、渋々ながら車で弘前へ向かうが、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂一家に置き去りにされてしまう。陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がない故にヒッチハイクをすることに。しかし、出棺は明日正午。北上する一夜の旅で出会う人々―毒舌のシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)、そして立ちはだかるように現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)により、陽子の止まっていた心は大きく揺れ動いてゆく。冷たい初冬の東北の風が吹きすさぶ中、はたして陽子は出棺までに実家にたどり着くのか…。

CAST

キャスト

竹原ピストル

工藤茂 役

Comment

奇しくも、何年も前に東京から青森まで自転車で走ったことがあります。台本を読んだ時にそんなことを思い出しました。陽子の旅は切なかったり、自分自身を見つめ直したり、さらけ出していくような切実な旅ではあるんですけど、陽子みたいに、出会う人出会う人に刺激を受けながら旅をしていくことはライブとはまた別にやってみたいなと憧れました。
また役柄上の話しですが、茂が陽子に話しかける時の、陽子の煩わしそうな表情が大好きで、すごく面倒くさそうにするから(笑)、早くあの表情をスクリーンで見たいです。

Profile

千葉県出身。2003年野狐禅としてメジャーデビュー。2009年からは一人きりでの表現活動を開始。2017年紅白歌合戦に初出場。音楽活動に加え、役者としても活動。熊切和嘉監督作品『青春☆金属バット』(06年公開/主演)、『フリージア』(06)、『海炭市叙景』(10)に出演。『永い言い訳』(16/西川美和監督)での好演が評価され、キネマ旬報 助演男優賞、日本アカデミー賞 優秀助演男優賞を受賞。近年では、福島中央テレビ開局50周年ドラマ『浜の朝日の嘘つきどもと』(20)やドラマ『直ちゃんは小学三年生』(テレビ東京/21)、映画『サバカン SABAKAN』(22/金沢知樹監督)などに出演している。

黒沢あすか

立花久美子 役

Comment

久美子(役)は色々背負っています。日頃胸に秘めていることを口にしたいけど、忙しさや色々なことから、そういうことを聞いてくれる人との時間が少ない人間です。 私は陽子の旅の中継点になれたらなって思い、作品に参加しました。
菊地さんとの共演は、初めてでしたがすごく楽しかったし、セリフを一つ一つ交わし合う瞬間も喜びと共に、緊張するどころかどんどんリラックスしていく自分がいて気持ちよかったです。

Profile

神奈川県出身。『ほしをつぐもの』(90/小水一男監督)で映画デビュー。『六月の蛇』(03/塚本晋也監督)で第23回ポルト国際映画祭最優秀主演女優賞などを受賞。さらに『冷たい熱帯魚』(11/園子温監督)で第33回ヨコハマ映画祭助演女優賞、主な出演作に、『沈黙-サイレンス-』(17/マーティン・スコセッシ監督)、『楽園』(19/瀬々敬久監督)、『親密な他人』(22/中村真夕監督)など。

見上愛

小野田リサ 役

Comment

とても楽しい撮影でした。数日しか参加していないのに、菊地さんやスタッフの皆さんの穏やかな空気に包まれながら、ゆっくりとした時間を過ごした気がします。
この物語の中で、小野田リサは人の温かみを感じられる存在になれたらいいなと思い、色んな悩みを葛藤を抱えながらも、明るく優しい女の子になる様に意識して演じました。

Profile

東京都出身。2019年デビュー。「liar」(MBS系/22)や「往生際の意味を知れ!」(MBS系/23)で主演を務め、『衝動』(21/土井笑生監督)で映画初主演を飾る。近年では、ドラマ「きれいのくに」(21/NHK)、『プリテンダーズ』(21/熊坂出監督)、『異動辞令は音楽隊!』(22/ 内田英治監督)、『レジェンド&バタフライ』(23/大友啓史監督)に出演。

浜野謙太

若宮修 役

Comment

若宮のキャラクターはクズ男なんですが、演じる際に熊切監督から「浜野さんの素でやってください。そのままでやってください。」と言われました。俺をクズだと思っているんですね。なんだよって思いましたけど、やってみたら難しく、深いなぁと。
以前熊切監督とご一緒したことがあり、カットがかかった後の「いいすね〜」がすごく嬉しいのです。熊切節がまた聞けたなぁと。充実感がある現場でした。

Profile

神奈川県出身。バンド「在日ファンク」のボーカル兼リーダーで、俳優としても映画、ドラマなど多数出演。映画「婚前特急」(2011年)で第33回ヨコハマ映画祭・最優秀新人賞を受賞。近年ではドラマ『おいハンサム!!』(東海テレビ・フジテレビ/22)『つまらない住宅地のすべての家』(NHK/22)、映画『劇場版ラジエーションハウス』(22)『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23)などがある。

仁村紗和

八尾麻衣子 役

Comment

熊切監督の映画をたくさん拝見させていただいていて、私自身久しぶりの映画の現場で、すごい楽しみにしてましたし、熊切監督はすごく穏やかな方で、私が関西弁喋ると嬉しそうにニコニコ笑ってくださって嬉しかったです。菊地さんは昔から大ファンで、主演が菊地さん、熊切監督ということでオーディションを受けて参加させていただきました。

Profile

大阪府枚方市出身。モデルを経て高校卒業後に上京し、2014年「ロンリのちから」(NHK Eテレ/14)で女優デビュー。『無伴奏』(16/ 矢崎仁司監督)で映画初出演を務める。大河ドラマ「青天を衝け」(NHK/21)で主人公の愛人役大内くにを演じ話題を呼び、夜の連続ドラマ「あなたのブツが、ここに」(NHK/22)で主演を務め、「わたしのお嫁くん」(CX/23)の出演が決定している。

篠原篤

水野隆太 役

Comment

陽子のように透明な埒の中に入り込んでしまい不充足を生きている人は多いのではないでしょうか。たとえば、一見うまく社会の中で立ち回っている人も、友人たちと楽しく過ごしている人も、理想的な家族関係を築いているような人も、その実、内心には多少なりとも陽子と似たような感慨を抱えているものではないでしょうか。


道をそれたり、躓いたり、誰かの肩をかりたりしながら辿り着いたラストシーン。あの陽子の顔が今でも忘れられません。「そこには自分が映っていました」というと大変おこがましいですが、帰りの道すがら「今の自分をもう少しだけ認めてあげようかな」、なんてことを思い、心をふっと軽くしました。
ぜひ劇場でご覧になって、皆さんも陽子と一緒に旅をしてみてください。そして、そこに芽生えた感情をやさしく掬ってあげてください。

Profile

福岡県出身。橋口亮輔監督『恋人たち』(15)の主演に抜擢され、その繊細な演技が評価され第39回アカデミー賞新人賞、第89回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞など数多く受賞。主な出演作にドラマでは「フランケンシュタインの恋」(NTV/17)、「この世界の片隅に」(TBS/18)の他、映画『風の電話』(20/諏訪敦彦監督)、『罪の声』(20/土井裕泰監督)、『ちょっと思い出しただけ』(22/松居大悟監督)など。

吉澤健

木下登 役

Comment

私の役は陽子の父親とダブらしているということで、父親役のオダギリさんより私は割と強面だけど、イメージがだぶることができるのか心配で監督に聞きたかったですが、結局聞かなかった(笑)つまり、まったく同じではなくても登のどこかに父親がダブればいいのかなと。あえてその方が面白い芝居をしていました。熊切監督は今回初めてお仕事しましたが、芯の強さを感じました。

Profile

神奈川県出身。唐十郎主催の状況劇場に参加。70年より日活ロマンポルノや若松孝二監督作品など、映画に活躍の場を移す。主な出演作品に、『かげろう』(69/新藤兼人監督)、『天使の恍惚』(72/若松孝二監督)、『龍三と七人の子分たち』(15/北野武監督)、『弟とアンドロイドと僕』(22/阪本順治監督)などがあり、『凪待ち』(19/白石和彌監督)では第74回毎日映画コンクール男優助演賞受賞している。

風吹ジュン

木下静江 役

Comment

お父さん(登)役の吉澤さんとは初めての共演でしたが、情景に説得力が増すようないい感じの役者さんでした。歳の差夫婦のように演じさせていただいて、吉澤さんのように良い萎れかたは真似できませんが勉強になります。菊地さんも初共演でしたが、リアルな演技、自然な在り方はこちらがグンと胸を打たれ、見惚れてしまいました。今までにない彼女の魅力が本編から観られると思います。ロードムービーならではの過酷な条件での撮影は殆どドキュメント?のように撮っているので、菊地凛子さん演じるヒロインやその出会いが、いいお話として届くのを期待しています。ぜひぜひ楽しみにしてください。

Profile

富山県出身。1972年『ユニチカマスコットガール』に選ばれ、『寺内貫太郎一家2』(TBS系列/75)で女優デビュー。『無能の人』(91/竹中直人監督)で日本アカデミー賞優秀助演女優賞、『コキーユ〜貝殻』(99)で報知映画賞主演女優賞を受賞。主な代表作に、『無能の人』(91)『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(21/ 堀江貴大監督)『ちひろさん』(23/今泉力哉監督)。

オダギリジョー

工藤昭政 役

Comment

年齢の近い菊地さんの父親役としてオファーを頂き、驚きましたが、これまた同世代の熊切監督からのお声がけという事が嬉しく、迷いなくお引き受けしました。
菊地さんと熊切監督のやり取りを隣で見ながら、いち映画ファンとしてニヤニヤしちゃってましたね(笑)。
名作誕生の予感です!

Profile

岡山県出身。アメリカと日本でメソッド演技法を学び、『アカルイミライ』(03/黒沢清監督)で映画初主演。以降、『ゆれる』(06/西川美和監督)など作家性や芸術性を重視した作品に出演する他、『悲夢』(09/キム・ギドク監督)、『宵闇真珠』(17/クリストファー・ドイル監督他)、待機作の『サタデー・フィクション』(ロウ・イエ監督)など海外の映画人からの信頼も厚い。初長編監督作『ある船頭の話』(19)でヴェネツィア国際映画祭に出品。NHKドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(脚本・演出・出演・編集)では、東京ドラマアウォード2022単発ドラマ部門でグランプリを受賞するなど多才な活躍をみせる。

STAFF

スタッフ

COMMENT

コメント

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ

(映画監督/『バベル』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』)

彼女が過去と対峙する姿に、悲しく胸を締め付けられた。彼女の苦痛や悲しみは、観客の心を突き刺し、目が離せなくなる。熊切和嘉は、主人公の痛みや雰囲気を探求し、見事に描き出し、素晴らしい仕事を成し遂げた。

イザベル・コイシェ

(映画監督/『死ぬまでにしたい10のこと』『マイ・ブックショップ』)

この映画は孤独と敗北を描いた、力強い物語だ。人生の岐路に立つ孤独な女性を映し出し、観客の心を確実に揺さぶるだろう。